自己評価「くそダサい」by『私の居場所』
小説『私の居場所』3話目
【自己評価「くそダサい」】
毎日が同じように過ぎていくのを感じていた。
朝目覚めると、冬らしい青空を窓越しに毎日見ることができた。
素敵だという思いはあったけど、だからといって僕はそれに特別な思いを抱くことはできなかった。
仕事探しは順調ではなかった。
自分に合う仕事を探せば探すほど、こんな自分が役に立つ世界などあるわけがないと、自分の殻に閉じこもった。
これでいいかと思っても、一歩前に踏み出して、電話やメールやwebやらで応募することをためらってばかりいた。
変われない自分が嫌なわりに、そういった自分を脱却することためらってばかりいた。
「くそダサイ」
自分に対する自己評価はこの一言に尽きた。
どうしようもない人間に救いの道などあるのかと、いつも自分に疑いの目を向けた。
このどうしようもない苦しさから逃れたい一心だった。
yutaka
『私の居場所』1話目はコチラ
『私の居場所』2話目はコチラ
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